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あらすじ
第一話「伽藍の洞 Ⅰ」
1996年の冬。ある病院にひとりの少女が運び込まれた。
彼女の名は両儀式。かろうじて一命は取り留めたものの…その瞳が開かれる事はなかった。
やがて2年の時が過ぎ――。
第二話「伽藍の洞 Ⅱ」
目覚めた式の瞳には、万物の「死」が視えるようになっていた。
更に、自分の中にいたはずのもう一つの人格「織」が消えている…。
己の見つめる景色も理解できず、喪失感だけを抱えた式は、心を閉ざす日々を送る。
そんな彼女の心の隙間を狙い、その身体を乗っ取ろうとする浮遊霊たちが、動き出す。
第三話「痛覚残留 Ⅰ」
黒桐幹也が出会ったのは、暗がりにうずくまるひとりの少女だった。
その制服は自身の妹、鮮花と同じ高校のもので…放ってはおけず自宅へと迎えたが、
幹也が目覚めた時、彼女はすでにいなかった。
翌日。式は橙子から、ある事件の犯人を保護する依頼を受ける。
一方、幹也は友人から後輩の啓太の行方を捜すよう頼まれる。
第四話「痛覚残留 Ⅱ」
啓太たちのおぞましい凶行と、それゆえに課せられた浅上藤乃の報復。
幹也は式と藤乃の戦闘を止めるため、藤乃の過去を調べ始める。
しかし、全ての符号が一致した時、
藤乃の切ない叫びが響く。
第五話「俯瞰風景 Ⅰ」
夏の終わり。廃墟となったビルから、少女たちが相次いで飛び降りる事件が起きていた。
自殺をする理由も、共通点もない少女たち。
橙子の依頼でこの事件の調査に向かった式は、ビルの屋上で、飛び降りた少女たちの霊と、浮遊する女性の霊を目撃する。
第六話「俯瞰風景 Ⅱ」
巫条ビルを舞台に起こる不可解な連続自殺事件。
独自にこの事件の調査を進めていた幹也の身にも、異変が生じる。
憤りを感じる式。
そして、ついに式は巫条ビルの屋上で、浮遊する霊と対峙する。
第七話「殺人考察(前) Ⅰ」
1995年、高校入学を控えた雪降る夜。
黒桐幹也は傘も差さずに佇む着物姿の少女に出会う。
そして幹也は、入学式でその少女……両儀式と再開する。
だが、式は幹也のことを覚えていない様子で……。
第八話「殺人考察(前) Ⅱ」
式の中に「式」と「織」が存在することを知った幹也。
そして、彼女が殺人衝動を抱えていることも。
「このままだと、きっと私はあなたを殺すわ」
その警告を聞いてもなお、幹也は変わらず彼女に心を惹かれる。
第九話「殺人考察(後) Ⅰ」
1999年、2月。
街は再び「通り魔事件」に怯えていた。
ニュースを見ながら、式は幹也に尋ねた。
「覚えてる?黒桐。人は一生に一人しか殺せないって」
しかし、幹也はその言葉を思い出せず……。
第十話「殺人考察(後) Ⅱ」
幹也の前から消えた式。
その間にも、観布子市で繰り返される殺人事件は犯人不明のまま、
数を増し、殺戮となっていく。
そして幹也は、式を追う中で、ある真相にたどり着く。
第十一話「殺人考察(後) Ⅲ」
幹也は、高校時代の先輩・白純里緒と再会する。
式の中の殺人衝動を揺さぶるため、殺人を繰り返していた里緒。
それでも、彼を救おうとする幹也だが……。
第十二話「殺人考察(後) Ⅳ」
ついに、里緒と対峙した式。
徐々に里緒を追いつめ、その喉元にナイフを突き付ける。
一方、「人は一生に一人しか人間を殺せない」その言葉を思い出した幹也は式を止めるため、急ぐのだが……。
第十三話「殺人考察(後) Ⅴ」
幹也の事を殺したという里緒の告白に、膝から崩れ落ちる式。
式の中で、幹也との温かで幸せな想い出たちが蘇る。
里緒が許せない式。だが、「先輩を殺したら許さない」という幹也の言葉も蘇る。
そして、彼女が選んだ道は……